投資

チャートの基礎2 ローソク足の組み合わせ

包み線

1つ前のローソク足をすっぽりと覆う大陽線または大陰線で、包み線が陽線なら「陽の包み線」、陰線なら「陰の包み線」といいます。「陰線→陽線」もしくは「陽線→陰線」と、実体の色の異なる組み合わせが効果的で、1つ前のローソク足のヒゲ部分も完全に覆い隠しているのが理想です。

 「包み線」は前のローソク足の動きが否定され、相場の流れが変わったことが見た目にも判断しやすいパターンです。「陽の包み線」は相場の安値圏で出現すると上昇、「陰の包み線」は相場の高値圏で出現すると下落に転じる可能性を強く暗示している

はらみ線

 「はらみ線」とは、1つ前のローソク足にすっぽりと覆われた小陽線か小陰線です。陽線同士または陰線同士の組み合わせも有効ですが、陰線→陽線の「陽のはらみ線」か、陽線→陰線の「陰のはらみ線」の組み合わせのほうが効果的な場合が多く、1つ前のローソク足がヒゲ部分も完全に覆っているのが理想です。

はらみ線は前のローソク足の流れが打ち消され、買いと売りの力が拮抗していったことがわかるパターンです。これまでの流れが一服し、相場が転換していく可能性を暗示していると捉え、特に「陽のはらみ線」は相場の安値圏で出現すると上昇、「陰のはらみ線」は相場の高値圏で出現すると下落に転じる可能性が高い

かぶせ線

「かぶせ線」とは、前日が実体の長い陽線となり、その流れを引き継いで高く始まったものの、終値が前日の実体の中心部よりも安い陰線となった足型です。陽線→陰線の並びのみが当てはまり、前日の勢いが当日のうちに吸収され、売りの勢力が上回って終わったことがわかるパターンです。相場の高値圏でかぶせ線が出現した場合、下落へ転じる可能性があると捉えます。

切り込み線

 「切り込み線」とは、前日が実体の長い陰線となり、その流れを引き継いで安く始まったものの、終値が前日の実体の中心部より高い陽線となった足型です。「切り返し線」とも呼ばれ、陰線→陽線の並びのみが当てはまり、前日の勢いが当日のうちに吸収され、買いの勢力が上回って終わったことがわかるパターンです。相場の安値圏で切り込み線が出現した場合、上昇へ転じる可能性があると捉えます。

差し込み線

「差し込み線」は上述の切り込み線と似ていますが、当日の終値が前日の実体の中心部よりも低かった足型で、陰線→陽線の並びのみが当てはまります。相場が上昇へ転じる可能性を暗示していると思えそうですが、実際は反発力に限りがあることから、戻り売りのポイントと捉えられることが多いパターンです。

「入り首線」も戻り売りのポイントになりやすいと判断されることの多いパターンです。

出会い線

 「出合い線」とは、前日の流れを引き継いで始まったものの、結局は前日の終値付近へ戻して終わった足型です。陰線→陽線、もしくは陽線→陰線の並びが当てはまり、前日と当日の実体の長さが同じぐらいのものが有効とみなされます。相場の勢いが衰えてきていることがわかるパターンで、当日の実体が陽線なら相場が上昇へ、陰線なら相場が下落へ転じる可能性が高いと捉えます。出現頻度はそれほど高くありません。

 ただし、出合い線は前日を含めて値動きを1つのローソク足にまとめると、値幅の中間付近が終値の、どちらか片方に長めのヒゲをつけた足型となります。そのため、一時的な調整にとどまり、再び前日の流れと同じ方向へ動き出す可能性もあることから、翌日以降の動きも見極める必要があります。

行き違い線

 「行き違い線(振り分け線)」とは、前日の流れに背を向け、前日と同じぐらいの実体の長さで反対方向に動いて終わった足型です。振り分け線とも呼ばれ、前日と当日の始値がほぼ同じとなる形が有効とみなされますが、FX以外の金融商品のチャートでも滅多に出現しないパターンです。前日の動きを大きく打ち消して、相場が反対方向へ勢いを強めたことがわかり、陽線→陰線の並びなら上昇相場が終了、陰線→陽線の並びなら下落相場が終了する可能性が高いと捉えます。

 また、上昇相場の途中に陰線→陽線の並びで出現した行き違い線は押し目買い、下落相場の途中に陽線→陰線の並びで出現した行き違い線は戻り売りの好機と捉えることもあります。これは、前日の流れに反した動きを、調整の一部と考えることもできるからです。

たすき線

「たすき線」とは、始値が前日の実体の中にあり、前日が陰線なら前日高値を超えて引けた陽線、前日が陽線なら前日安値を下回って引けた陰線の足型です。前日と当日の値幅がほぼ同じぐらいのものが有効で、陰線→陽線の並びを「陽のたすき線」、陽線→陰線の並びを「陰のたすき線」と呼ぶ、FX以外の金融商品のチャートでは、比較的よく確認できるパターンです。

 「陽のたすき線」は、前日の下落の勢いを打ち消して上昇していることから、相場の安値圏で出現した場合は上昇へ転じる可能性があり、下落相場の途中に出現した場合は戻り売りの好機と捉えます。

 「陰のたすき線」は、前日の上昇の勢いを打ち消して下落していることから、相場の高値圏で出現した場合は下落へ転じる可能性があり、上昇相場の途中に出現した場合は押し目買いの好機と捉えます。