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Open RAN(オープン ラン)とは

Open RANは、通信ネットワークの未来を変える可能性を秘めた技術です。これは、基地局設備を含む無線アクセスネットワークをオープンな仕様に基づいて要素ごとに分離し、さまざまなベンダーの製品を組み合わせて利用できるようにするものです。

これにより、実際のニーズやユースケースに適した多様な機器を導入することが可能となります。これまで特定のベンダーに支配されてきた基地局市場の競争が活性化し、5G通信網導入・運用コストの低減やイノベーションの促進が期待されます。

日本の通信事業者が、世界に先駆けて本格的なOpen RANの導入を行ったことから、この分野における日本企業の先進性に期待が高まっています。

一方で、Open RANの実現には課題もあります。多岐にわたるユースケースのニーズを満たすためには、1つのベンダーがすべての構成要素を提供することは現実的ではなく、最適なハードウェアやソフトウェアを選択し構築する”best of breed”が求められます。

また、Open RANは既存の市場モデルにも大きな変化をもたらします。特に、ベンダーロックインと呼ばれる既存ベンダーによる寡占状態に変化をもたらし、TCO(総保有コスト)削減やイノベーションの加速を促す可能性が期待されています。