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円下落、152円迫る 33年8カ月ぶり安値更新へ

東京外国為替市場において、2023年度末の29日には1ドル=151円台となり、昨年度末から18円余りの円安ドル高が進行しました。これは、堅調な経済を背景にアメリカでの金融引き締めが続く中、今月には33年8か月ぶりの円安水準を記録するなど、円安ドル高の基調が続いた1年でした。

2023年度末の東京外国為替市場では、午後5時時点での円相場が1ドル=151円33銭から34銭となり、昨年度末から18円余りの円安ドル高が進行したことが確認されました。

この円安ドル高の背景には、アメリカでの経済が堅調でインフレが長期化し、金融引き締めが継続される一方で、日本の日銀が大規模な金融緩和策を続けたことが挙げられます。日米の金利差が意識され、円安ドル高の基調が持続したとされています。

日銀は2023年3月19日にマイナス金利政策の解除など、大規模な緩和策の転換を宣言しました。しかし、追加の利上げを急がず、緩和的な金融環境を維持する姿勢を示したことで、円安が一段と進行し、2023年3月27日には1990年7月以来の33年8か月ぶりの円安ドル高水準となる1ドル=151円97銭を記録しました。

日米の金利差が縮まりにくい状況が続くとの見方が広がり、円安の進行が促進されたという分析もあります。

市場関係者によると、「円安の進行を受け、政府関係者から市場の動きを強くけん制する発言が相次いでいる。市場では政府・日銀がどの程度の円安水準で市場介入に踏み切るかや、日米の金融政策の先行きを注視している」との声が聞かれました。