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日経平均株価が歴史的最高値に達した背景と今後の展望

3月22日、日経平均株価は一時的に史上最高値の4万1000円台に達し、終値でも前日比72円高の4万0888円で取引を終えました。これは市場の期待を上回る動きであり、3月25日以降は一時的な調整が入るかもしれませんが、その後は春まで株高が続くとの見方があります。

最近の日経平均の急上昇は目覚ましいものがあります。昨年末の市場参加者アンケートによれば、多くの予測は4万円以下でしたが、実際にはそれを超える結果となりました。このような動きは以前の年々の傾向を考えれば珍しいことではありません。過去数年間のデータを見ると、予測が上回ることや、予測の分布が予測された水準に集中しないことが多かったです。

ただし、過去の経験から考えると、最も高い予測値を上回ることはなかったです。今年の予測では4万2000円前後を予想している方もいますが、それを上回ることは難しいでしょう。

これまでの数年間は3万8000円台より下の水準で株価が推移しており、今年はその予測を上回る可能性があると考えられます。しかし、4万2000円前後で上昇が一時的に止まる可能性もあります。また、3月末には年金のリバランス売りが予想され、これが株価の下落圧力となるかもしれません。

さらに、3・6・9・12月の四半期末には決算書の報告がありますが、その際には投資家が株価のウェートを調整するため、売り圧力が発生する可能性があります。加えて、四半期末の5営業日は自己株買いの自粛期間でもあり、相場が不安定になる可能性も考えられます。

アメリカの動向も重要で、3月19~20日のFOMC(連邦公開市場委員会)では、FFレートの引き下げが予想されていましたが、その見通しは変わりませんでした。しかし、成長率や物価、雇用の見通しが改善しており、金融政策の方向性には注目が必要です。

日本では、4月には外国人投資家や個人投資家のリバウンドが期待されます。外国投資信託の設定が行われることが予想され、これが円安につながる可能性があります。また、日本銀行が緩和的な金融政策を維持するとの声明を出しており、市場への影響も考慮されます。

バリュー株の中で特に注目されるのは自動車、通信、金融です。また、AI関連株も活況が期待されます。

AI(人工知能)関連の動向が注目される中、半導体メモリーメーカーの大手、マイクロン・テクノロジー(MU)が第2四半期決算で黒字に転換したことが3月20日に発表されました。同社はAI関連では市場シェアが5%ほどしかないものの、半導体マーケット全体の回復を示唆しています。

マイクロンの競合であるSKハイニクスやサムスン電子が本拠を置く韓国では、半導体の出荷量が前年比で大幅に伸びており、これがAI部門の好調を反映しています。一方、在庫に関しては直近でついにマイナスに転じたとのことです。

この変化はアメリカ半導体株(SOX)指数にとって好ましい買いサインとなることが多いです。汎用品にも伝統的な買いサインが出現しており、これはAIだけでなく、半導体市場全体が強いことを示唆しています。

また、エヌビディア(NVDA)がGTC(GPU Technology Conference)において、新製品「ブラックウェル」を発表しました。この製品は、2つの大型チップを連結して1つの大きなチップとして機能するもので、AIの推論などにおいて30倍のスピードアップを実現します。

このような動きに加えて、TSMC(台湾)が日本での先端パッケージング工場建設を検討しているという報道もあります。これらの動向がテック関連銘柄を支援することが期待されます。

一方、今後の相場見通しでは、世界的には5月25日のエヌビディアの決算発表後、アメリカ大統領選挙を控えて相場がもたつくと予想されています。しかし、日本では「6月解散」の可能性が浮上しており、岸田文雄首相が総裁選挙への再選に焦点を当てるよりも、一般有権者からの支持を得ることを優先しているように見えます。

このため、総裁選挙よりも総選挙に焦点が移りつつあり、6月解散→7月総選挙のシナリオが浮上しています。この政治的な不確実性が相場にどのような影響を与えるか、引き続き注視していく必要があります。