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【中国・深圳で日本人トラブル相次ぐ】反日感情の高まりと“生活者の不安”──歴史と現在が交差する現場から

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中国・広東省深圳市で、日本人が反日感情に起因するとみられるトラブルに巻き込まれる事案が相次いでいます。 1年前には日本人児童が殺害される事件も発生しており、現地の日本人社会には不安が広がっています。

今月初めには、日本人の親子がレストランで食事中に「731部隊についてどう思うか?」と突然問いかけられ、取り囲まれる事案が発生。 また、15日には日本企業の社員がタクシーで「日本人か?」と聞かれ、「はい」と答えたところ、危険な場所で降ろされるという出来事も。 いずれも身体的被害はなかったものの、“日常の中での緊張感”が高まっていることは間違いありません。

背景には、7月以降の「抗日」イベントの連続開催や、旧日本軍「731部隊」を題材とした映画の公開など、歴史を強調する愛国的なムードの高まりがあります。 日本大使館も、在留邦人に対して注意喚起を行っている状況です。

中国外務省は「中国は寛容で安全な国」と強調していますが、現地の日本人にとっては、“制度上の安全”と“感情的な安全”のギャップ”が深刻な課題となっています。

これは「歴史の記憶」と「現在の共生」がぶつかり合う瞬間。 外交的には冷静な対応が求められますが、生活者にとっては“安心して暮らせるかどうか”がすべて。 そして、こうした事案は、個人の行動や感情が国際関係に影響を与えることもあるという現実を突きつけています。