皆さん、こんにちは!最近の日本株市場は、なんだか重たい空気が漂っていますね。昨年の夏から上値が重く、なかなか抜け出せない状況が続いています。しかし、こんな時こそ「逆張り」のチャンスかもしれません。
今回は、株式市場に新たな視点を提供し、小型株投資の可能性について解説します。
小型株の魅力:見劣りしない収益性と堅固な財務体質
「小型株はリスクが高い」と思っていませんか?それは大きな間違いです。実は、日本の小型株は大型株や欧米の小型株に比べて、ファンダメンタルズが劣るわけではありません。
1990年代後半以降、日本企業は厳しい合理化・リストラを進めてきました。その結果、収益性や財務体質が劣る企業は淘汰され、小型株を含めて赤字企業が大幅に減少したのです。
- 赤字企業の割合:
- アメリカ小型株(Russell 2000):30%台
- TOPIX Small指数企業:10%未満
- 財務体質:
- MSCI 小型株指数 デットエクイティレシオ:日本 65.8%、アメリカ 107.6%
このように、日本の小型株は財務体質が非常に堅固であり、大型株と比べても遜色ありません。
小型株の業種構成の変化:オールドエコノミーからの脱却
過去30年間で、小型株の業種構成は大きく変化しました。建設、銀行、素材、加工などのオールドエコノミー企業が減少し、情報・通信業、サービス業、小売業、卸売業などの成長産業が増加しています。
年間IPO件数も安定的に推移しており、オールドエコノミーの限界的な企業ではない、新しい小型株が増えていることが分かります。
小型株の成長性:ニッチトップ企業や独自ビジネスモデル
小型株は必ずしも利益成長率が低いわけではありません。ニッチ産業でのトップ企業や、独自のビジネスモデルを持つ企業、高齢社会や人手不足などの社会課題に対応する企業など、成長性の高い企業が多く存在します。
創業経営者やオーナー経営者が多く、機動的な判断ができることも小型株の強みです。野村証券の集計によると、2024・2025年度の経常増益率は小型株が大型株を上回っています。
小型株の割安感:情報収集コストの高さが要因
小型株は大型株に比べて割安感があります。将来12カ月予想PERでは、MSCI Japan小型株指数が12.6倍、大型株で構成されるMSCI Japan指数が13.6倍です。
この割安感の要因の一つは、情報収集コストの高さです。小型株はアナリストのカバレッジが少なく、証券会社から情報を得られない銘柄が多いのです。
- アナリストのカバレッジ数:
- MSCI Japan 小型株指数:平均3.7人
- MSCI Japan 超小型株指数:平均0.4人
情報開示が十分でないことや、流動性が低いことも、小型株の割安感につながっています。
小型株のコーポレートガバナンス改善:企業価値向上の余地
小型株はコーポレートガバナンスの改善が期待できます。社外取締役選任や情報開示など、ガバナンス体制の構築にはコストがかかりますが、株主の意見に接することで、企業の姿勢は大きく変わることがあります。
三菱UFJトラスト投資工学研究所の分析によると、小型株は経営陣と投資家の対話により、収益性や株主還元率が有意に改善する傾向があります。
世界の中での小型株の存在感:外国人投資家の買い越しに期待
日本の小型株は、世界の中で大きな存在感を持っています。MSCI小型株とMSCI超小型株の構成比は、それぞれ12.1%、26.1%です。
今後、米欧で小型株ファンドに資金が流入する場合、外国人投資家が日本の小型株を買い越すことが予想されます。
まとめ:小型株は逆張り投資の有力な選択肢
日本株市場が上値の重い展開となる中、小型株は逆張り投資の有力な選択肢となります。割安感、成長性、コーポレートガバナンス改善への期待など、小型株には多くの魅力があります。
ぜひ、小型株投資を検討してみてはいかがでしょうか。