1. 成長投資枠の非課税限度額と投資戦略
成長投資枠の非課税限度額である1200万円を最大限に活用し、具体的に10倍以上の成長を狙うためには、どのような銘柄を選ぶべきかを考察します。
2. 割安株の投資適性
2023年の株式市場で注目されたのは、PBR1倍を割り込む割安株です。これらの株は、株価が下がりにくいという特性を持ち、初心者には安心感を与えますが、逆に株価が上がりにくいというデメリットもあります。例えば、Jパワー(9513)の株価は底値から上昇しましたが、長期にわたって大きな値上がりは見られません。これが「バリュートラップ」の典型的な例で、割安なまま放置される銘柄には注意が必要です。
3. 高配当・株主優待銘柄への注意点
高配当銘柄や株主優待銘柄も人気がありますが、これらの株は配当が魅力的である反面、株価が大きく値上がりしないケースが多々あります。NISA口座で非課税の配当を得られるメリットはありますが、1200万円を1億円に増やすには不十分です。
4. 成長株のテンバガーを狙う投資
テンバガー(株価が10倍以上に成長する銘柄)を狙う投資は、株式投資のロマンと言えます。MonotaRO(3064)は9年間で69倍、エムスリー(2413)は11年間で82倍に成長しました。しかし、これらの成長株も大きなリスクを伴います。たとえば、エムスリーはピーク時の株価から8分の1まで下落しました。長期投資を前提に成長株を選ぶと、大きな損失リスクも伴うため、慎重な判断が必要です。
5. 成長投資枠で選ぶべき銘柄の特徴
成長投資枠で選ぶべき銘柄は、「割安成長銘柄」です。成長企業でありながら、株価が割安に放置されている銘柄が理想的です。これらの銘柄は、PER(株価収益率)が低く、ROE(自己資本利益率)が高いにもかかわらず、市場の人気が低い状況にあることが多いです。
6. 条件を満たす具体的な銘柄
具体的な例として、中央自動車工業(8117)は、PERが12.3倍、ROEが17.3%と割安成長銘柄の条件を満たしています。また、建設技術研究所(9621)は11年半で株価が10倍以上に成長しましたが、PERが10.8倍、ROEが13.3%と、依然として高い成長ポテンシャルを持っています。
まとめ
NISAの成長投資枠で長期的な成長を目指すならば、割安成長銘柄に投資することが重要です。これらの銘柄は市場全体が低迷していても、成長性を維持しながら株価の上昇が期待できるため、長期的な資産形成に最適です。