投資 PR

9月FOMCの注目点:利下げ幅に焦点

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

9月FOMCの注目点:利下げ幅に焦点

  • 9月FOMCでの利下げ予測: アメリカでは9月17~18日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げがほぼ確実視されています。焦点は、利下げの有無ではなく、その幅が25bps(0.25%)になるのか、50bps(0.50%)になるのかに移っています。
  • 現在の市場予想: 8月28日時点のCME FedWatchツールによると、25bpsの利下げ確率が65.5%、50bpsの利下げ確率が34.5%となっています。年内のFOMCはあと3回開催され、その合計で100bpsの利下げが予想されており、年内のどこかで50bpsの利下げが行われると予測されています。
  • 今後の金利動向: 来年末までに合計225bpsの利下げが見込まれており、政策金利は現行の5.25~5.50%から3.00~3.25%にまで下がる見通しです。

実質長期金利の低下が示唆するもの

  • 実質長期金利の推移: 実質長期金利は、金融の引き締め/緩和の度合いを示す重要な指標です。2.5%近辺に達していた実質長期金利は直近で1.68%にまで下がり、1年間のレンジを下抜ける兆しが見られます。
  • インプリケーション: 実質長期金利の低下は、ドル高トレンドの終焉を示唆しつつあり、株式市場に対しても複雑な影響を及ぼす可能性があります。株価バリュエーションを押し上げる一方で、景気後退と同時に株価の下落を引き起こすことが多いため、今後の景気動向がカギとなります。

シナリオ1: 景気後退とドル安

  • 景気後退の可能性: 1つ目のシナリオは、過去と同様に景気後退が起きるケースです。この場合、株価は調整を余儀なくされ、実質長期金利は1%を割り込み、ドルが大幅に下落する可能性が高まります。

シナリオ2: ソフトランディングの可能性

  • ソフトランディングシナリオ: もう1つのシナリオは、景気後退を回避しながら、インフレ率がFRBの目標である2%に近づいていくケースです。FRBはこのシナリオにおいて、引き締めスタンスから中立的なスタンスに戻すために利下げを継続します。
  • 市場のコンセンサス: このシナリオが現在の市場コンセンサスであり、実質長期金利は1%前後で安定し、株価は高値を維持しつつもドルはやや下落にとどまると予想されています。

なぜ大幅な利上げが景気後退に結びつかないのか?

  • 景気後退が避けられている理由: 大幅な利上げにもかかわらず、景気後退に至っていない要因として「金余り」が挙げられます。アメリカでは家計金融資産が大幅に増加し、金融所得が消費や株価を支える役割を果たしています。このため、利上げによる景気抑制効果が相殺されている可能性があるのです。
  • 新しい構造変化: ソフトランディングが実現している背景には、従来の常識では捉えられない構造変化が存在していることが考えられます。