日経平均先物のようなボラティリティ(値動きの激しさ)がある市場では、**トレンドフォロー(順張り)**が機能しやすい時間帯は「トレンドの初動」または「市場参加者が一斉に動く時間帯」に集中します。
以下では、時間帯ごとにトレンドフォロー戦略が有効に働くタイミングを整理します。
1. 8:45〜10:30:寄り付き直後の初動
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東京市場オープン直後は、前日の米国株・為替・海外先物(CMEなど)の影響を一気に織り込むため、トレンドが発生しやすい時間帯。
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初動の高値・安値ブレイク(いわゆる「朝イチブレイク」)は順張りの好機。特に9:00〜9:30の間に形成される値動きに乗る戦略が効果的。
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推奨インジケーター:移動平均線(MA)・ボリンジャーバンド・出来高ブレイク。
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注意点:トレンドが継続するか“だまし”かを15分足ローソクで判断。
2. 16:00〜18:00:ロンドン市場(欧州勢参入)
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海外投資家の動きが加わり、アジア時間のレンジ相場を「ブレイク」するケースが多い。
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欧州オープン直後の16:00〜17:00は、短時間で明確な上昇・下落トレンドが発生しやすい。
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俗に「ロンドンブレイクアウト」と呼ばれる時間帯で、前場・昼の高値/安値ライン突破が狙い目。
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推奨戦略:上抜けなら買い順張り、下抜けなら売り順張り。15〜30分足で波の方向を確認して参入。
3. 21:00〜翌2:00:ニューヨーク市場(米国勢主導)
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世界で最も流動性が高く、トレンドフォローが最も効きやすい時間帯。
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米国経済指標(雇用統計、CPI、ISMなど)の発表直後は、ブレイクアウトによる大トレンドが発生しやすい。
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欧米市場が重なる21:00〜0:00はとくに強力で、「順張りが最も成功しやすいゾーン」。
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推奨インジケーター:ADX(トレンド強度測定)・MACD・移動平均クロス。
4. 14:30〜15:15:引け前(日本市場後半)
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機関投資家や裁定取引が活発化し、短期的なトレンドが形成されやすい。
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すでに出来高・ボラティリティが高まっているため、一方向の勢い(引けにかけての買い/売り)を利用した順張りスキャル戦略が有効。
時間帯別「順張りが効くリズム」
| 時間帯(日本時間) | 市場 | 特徴 | 戦略ポイント |
|---|---|---|---|
| 8:45〜10:30 | 東京市場寄り付き | 初動トレンド発生、第1波 | 高値/安値ブレイクを順張りで追う |
| 14:30〜15:15 | 東京市場引け前 | 裁定・機関投資の売買集中 | 流れに乗る短期順張り |
| 16:00〜18:00 | ロンドン市場オープン | 欧州勢がレンジを突破 | 「ロンドンブレイクアウト」狙い |
| 21:00〜翌2:00 | NY市場前半 | 世界的トレンド発生地帯 | 経済指標・米株連動の順張り主戦場 |
結論として、順張り戦略が最も機能するのは「東京寄り付き」「ロンドン開始」「NY重複時間(21〜0時)」の三つの波です。
これらはいずれも出来高と流動性が集中し、トレンドが発生・維持しやすい時間帯であるため、短期から中期のトレンドフォローに最も適しています。