島根県・雲南市立病院で勤務していた看護助手が、患者10人から合計6万6000円相当を盗み取ったとして、2025年9月25日付で懲戒免職処分となりました。 盗まれたのは現金、テレビカード、さらには病院備品のガーゼやマスクまで。 この事件は、医療現場における信頼と倫理の制度疲労を浮き彫りにしています。
🧭 何が起きたのか:制度の内側で繰り返された窃盗
- 2024年6月以降、患者10人から現金・テレビカード・備品を盗む
- 9月17日:患者の財布から現金1000円を盗み、後に返金
- 9月上旬:別の患者から1万円を盗み、警察に被害届
- → 病院の聞き取りで、合計6万6000円相当の被害が判明
- → 看護助手は「生活費に使った」「自分で使った」と供述
これは「個人の逸脱」ではなく、制度の内側で繰り返された信頼の崩壊です。
⚖️ 医療制度の限界:監督責任と予防設計の不在
- 看護助手は会計年度任用職員(非正規)
- → 雇用形態の不安定さが、倫理意識の希薄化に繋がった可能性
- 院長・看護部長も懲戒処分
- → 管理体制の不備が認定された構造的問題
医療制度は「治療」だけでなく、「安心と信頼」を提供する空間でなければならない。 信頼は“処分”ではなく“構造の再設計”でしか回復しないのです。
💬 医療現場は“治す”だけでなく“守る”場所
この事件は、「医療の場」が「加害の場」に変質した瞬間です。
- 病院は“治療の空間”であると同時に、“安心の空間”でなければならない
- 看護職は“ケアの担い手”であると同時に、“信頼の体現者”でなければならない
- → 制度は「医療技術」だけでなく、「倫理と監視」を設計すべき
つまり、医療制度は“治す力”ではなく“守る力”を持つ構造であるべきなのです。
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