2025年9月30日、赤羽駅前の「磯丸水産 赤羽南口店」が閉店します。 かつては“海鮮居酒屋ブーム”の象徴だった磯丸水産。 生簀の魚、目の前での捌き、浜焼き──非日常体験型の先駆者として人気を博しましたが、今では「オワコン扱い」とまで言われています。
🧭 ブームの構造:体験型業態のピークと縮小
- 2017年:磯丸水産は155店舗でピーク
- 2025年2月末:99店舗(FC除く)まで縮小
- → 体験型業態の制度疲労と文化的変化が重なった結果
この構造は、「体験型=強い」ではなく、「体験型=維持が難しい」という制度的限界を示しています。
📉 コロナ禍の影響:24時間営業の喪失と客足の断絶
- 磯丸水産の強み:24時間営業・深夜営業
- コロナ禍で営業形態が大きく制限
- アフターコロナでも、深夜営業の再開は限定的
- → 客足は戻らず、制度的な“時間の自由”が失われた
これは「時間の自由=体験の自由」であり、制度設計が生活者の感情とズレた瞬間です。
💬 日本らしさと“誰が提供するか”の感情設計
報道では「外国人店員との相性が悪い」という指摘も。 これは単なる人種問題ではなく、“体験の信頼性”が誰によって担保されるかという感情設計の問題です。
- 鮮魚を捌く=技術+文化的信頼
- 浜焼き=“日本らしさ”の演出
- → 「この人、本当に魚を捌けるの?」という不信感は、体験の設計が“誰が演じるか”に依存していることの証明
つまり、体験型業態は“空間”ではなく“演者”で成立するのです。
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