【子ども食堂への備蓄米拡充】“食べる権利”を支える制度の再設計──石破首相が10月からの強化を表明

2025年9月26日、石破茂首相は川崎市での視察後、子ども食堂への政府備蓄米の無償提供回数を拡充すると表明しました。「食事の提供に困っているとの話を聞いた。年内にできるだけ早く届くよう実現したい」──この言葉は、食の支援を“制度”として再設計する意思表示とも言えます。

🧭 子ども食堂とは何か：制度の外側にある“生活者のセーフティネット”

子ども食堂は、家庭の経済状況にかかわらず、子どもが安心して食事をとれる場所。しかしその多くは、民間の善意と地域の支えによって運営されており、制度的な支援は限定的でした。

→ だからこそ、政府備蓄米の無償提供は“制度の内側からの支援”として、非常に意味のある動きなのです。

政府備蓄米は、食料安全保障のために保管されている米。災害時や市場安定のために使われることが多いですが、平時においても“食の支援”として活用できる制度的余地があります。

石破首相が訪れた川崎市宮前区の「保育・子育て総合支援センター」は、親の就労に関係なく子どもを預けられる制度を先行導入。これは2026年度から全国展開予定の「こども誰でも通園制度」のモデルケースです。

この一連の動きは、生活者の“食べる権利”と“育つ権利”を制度の中で保障する試みです。

つまり、“制度の再設計”が生活者の感情と現場の声に寄り添い始めているのです。