2025年9月19日、岩屋毅外相がパレスチナの国家承認を見送る方針を表明しました。 その理由は、「承認によってイスラエルが態度を硬化させ、ガザ情勢の好転にはつながらない」と判断したため。 22日にニューヨークの国連本部で開かれる首脳級会議でも、この考えを説明する意向を示しています。
パレスチナ国家承認は、国際社会で“イスラエルへの圧力”として機能する側面もあります。 しかし岩屋外相は、「何が実際の解決につながるのかを総合的に判断した」と述べ、 現時点での承認は停戦や和平の実現には寄与しないとの認識を示しました。 さらに「パレスチナ側はしっかりとした統治体制を構築する必要がある」とも強調しています。
これは「外交のタイミング」と「現場の現実」がせめぎ合う局面。 国家承認は“象徴的な一手”であると同時に、地域の緊張を左右する実務的な選択でもある。 日本が“圧力より安定”を選んだ背景には、ガザの現状とイスラエルとの関係、そして国際的なバランス感覚があるのでしょう。
