青森県八戸市で親しまれてきた『焼肉五苑八戸石堂店』と『情熱ホルモン八戸酒場』が、2025年9月8日をもって事業停止。 運営元の「合同会社イッシン」は、自己破産申請の準備に入り、従業員は30日付で解雇予定との報道も出ています。
同社は2016年に設立され、かつては年商1億4200万円を超える時期もありました。 しかし、コロナ禍による集客低迷、原材料費の高騰、経費負担の増加などが重なり、2024年には約1億500万円の売上に対して3900万円の純損失を計上。 経営の継続が困難となったことが、今回の閉店につながったようです。
インスタグラムでは、両店舗ともに閉店の報告と感謝の言葉を投稿。 「突然のご報告となり申し訳ございません」「感謝しかありません」──スタッフの言葉からは、地域に根ざした営業を続けてきた誇りと、別れの寂しさがにじみ出ています。
これは「地方飲食店のリアル」が浮き彫りになった出来事。 コロナ禍を乗り越えたと思った矢先、物価高騰や人件費の上昇が直撃。 特に地方では、集客の波が都市部ほど安定せず、“固定費の重さ”が経営を圧迫する構造的な課題があります。
そして、忘れてはならないのが、従業員の存在。 30日付での解雇予定という報道は、生活の基盤を失う人がいるという現実を突きつけます。 飲食店の閉店は、単なる“店の終わり”ではなく、地域の雇用・文化・人間関係の断絶でもあるのです。