🌊『海のトリトン』:海を駆ける少年が、神話と戦争の狭間で成長する
📝導入:手塚治虫原作×富野由悠季演出の“思想的冒険アニメ”
1972年4月1日からフジテレビ系列で放送された『海のトリトン』は、手塚治虫原作の漫画をベースにしたテレビアニメ。制作は虫プロではなく、日本アニメーション(旧・Aプロダクション)が担当。全27話が放送され、富野由悠季が初めてシリーズ演出を手がけた作品としても知られています。
📖あらすじ:海の民の末裔、トリトンの旅と戦い
海の民の少年・トリトンは、ポセイドン族によって滅ぼされた一族の生き残り。彼はイルカのルカーとともに、ポセイドン族への復讐を誓い、海を旅する。だが、旅の中で出会う人々や生き物たちとの交流を通じて、トリトンは“戦うこと”の意味を問い直していく。
物語は単なる冒険譚ではなく、戦争・復讐・共存といったテーマを内包し、少年の成長と葛藤を描く。
🌟魅力ポイント:昭和アニメの“思想と詩情”が融合
- 手塚原作との違い:原作は明るい冒険漫画だが、アニメ版は富野演出によりシリアスかつ反戦的な構成に。
- 海洋描写が美しい:イルカ、クジラ、海底都市など、海の生態系と神秘が丁寧に描かれる。
- 主題歌が名曲:「GO! GO! トリトン」(歌:ヒデ夕樹)は、疾走感と哀愁を併せ持つ昭和アニメソングの名作。
🎬制作情報
- 原作:手塚治虫
- 演出:富野由悠季(斧谷喜幸名義)
- 制作:日本アニメーション(旧・Aプロダクション)
- 音楽:鈴木宏昌
- 主題歌:「GO! GO! トリトン」歌:ヒデ夕樹/「ピピのうた」歌:杉並児童合唱団
- 放送期間:1972年4月1日〜1972年9月30日
- 話数:全27話
🧭まとめ:海と命と平和を描いた“思想的冒険譚”
『海のトリトン』は、昭和アニメにおける“冒険と思想の融合”を体現した作品。少年が復讐から共存へと価値観を変えていく過程は、戦争と平和を考えるきっかけとして、今も語り継がれています。