🎖️『アニメンタリー 決断』:戦争と人間の「選択」を描いた昭和の挑戦作
📝導入:アニメ×ドキュメンタリー=“アニメンタリー”という革新
1971年4月3日から日本テレビ系列で放送された『アニメンタリー 決断』は、タツノコプロが制作した世界初の“アニメンタリー”作品。タイトル通り、アニメーションとドキュメンタリーを融合させた新ジャンルであり、太平洋戦争を題材に、軍人たちの「決断」の瞬間を描く硬派なシリーズです。
📖あらすじ:戦場で下された“決断”の連続ドラマ
物語は1941年の真珠湾攻撃から始まり、1945年の敗戦までを、連合国・日本双方の視点で描写。各話では、山本五十六、栗田健男、加藤建夫など、実在の軍人たちが登場し、戦況の中で下した「決断」がドラマとして再構成されます。
第1話「真珠湾奇襲」から始まり、第24話「連合艦隊の最期」、第25話「昭和天皇の決断」まで、全25話+実写特番1話という構成。
🌟魅力ポイント:昭和アニメ史に刻まれた“異端の傑作”
- リアルな兵器描写:当時としては珍しく、兵器や戦闘シーンを写実的に描写。効果音も実写映画用の本物を使用。
- 大人向けの視点:視聴対象は子どもだけでなく、壮年層や管理職世代も意識。戦争の教訓を伝える構成。
- 技術的挑戦:透過光や特殊効果など、後の『科学忍者隊ガッチャマン』にも影響を与えた演出技法が試された。
🎬制作情報
- 原作・監修:児島襄(戦記作家)
- 総監督:九里一平
- 脚本:鳥海尽三(途中降板)
- 制作:タツノコプロ
- 放送期間:1971年4月3日〜9月25日
- 放送局:日本テレビ
- 話数:全26回(うち1話は実写特番)
- スポンサー:サッポロビール(単独提供)
🧭まとめ:戦争を“語る”アニメの先駆け
『アニメンタリー 決断』は、戦争という重いテーマをアニメで描くという、当時としては大胆な試み。娯楽ではなく“記録と教訓”を目的とした構成は、昭和アニメ史の中でも異色の存在です。