🕰️プロローグ:ゴルフ場で交わされた密約
2007年秋、東京地検特捜部が防衛省と軍需商社「山田洋行」に強制捜査を入れた。 その背景には、年間百回以上に及ぶゴルフ接待、裏金、天下り、そして政治家との癒着があった。
この事件は、単なる贈収賄ではない。 それは、“税金がアングラマネーに変換される構造”そのものだった。
🧠第1章:山田洋行とは何者か?
山田洋行は、旧陸軍時代から続く軍需専門商社。 防衛省との取引を通じて、航空機部品や毒ガス処理事業などを受注していた。
- 主な取引先:GE・アビエーション、米国防関連企業
- 主な業務:防衛装備の輸入・仲介
- 特徴:防衛省OB、自衛隊幹部の天下り多数
その実態は、“防衛省と政治家の間に立つ利権ブローカー”だった。
💸第2章:裏金と接待の構造
山田洋行は、米国子会社の裏金口座から約1億円を捻出し、 毒ガス処理事業の“業務協力費”として米国の関連団体に送金していた。
- 裏金口座:ロサンゼルスの複数銀行
- 支出先:日米平和・文化交流協会、Add-Back International
- 名目:業務協力費、接待費、政治献金
この資金は帳簿に記載されず、 “見えない金”として政官財のネットワークを潤していた。
🏌️♂️第3章:防衛事務次官・守屋武昌の接待地獄
守屋武昌元防衛事務次官は、山田洋行専務・宮崎元伸から 年間百数十回に及ぶゴルフ接待を受けていた。
- 接待内容:ゴルフ、料亭、ネクタイ・バッグの贈与
- 利益供与:契約優遇、調達計画の前倒し
- 家族関係:次女の米国留学に関連企業が便宜供与
守屋は証人喚問で「接待は受けたが、便宜は図っていない」と証言したが、 その言葉に説得力はなかった。
🏛️第4章:政界との癒着
山田洋行は、日米平和・文化交流協会を通じて 防衛族議員との関係を築いていた。
関係者 | 関与内容 |
---|---|
久間章生(元防衛庁長官) | ゴルフ・結婚式出席・契約優遇指示 |
額賀福志郎 | 接待・協会理事歴任 |
石破茂 | 調査指示・協会メンバー |
秋山直紀(協会理事) | 裏金送金の仲介 |
この協会は、政治家・防衛省・商社をつなぐ“利権ハブ”として機能していた。
🧩エピローグ:税金がアングラマネーに変わるとき
元防衛審議官・太田述正はこう語った: 「商社は、税金というきれいなカネを汚いアングラマネーに変換する装置だ」
この事件は、制度の隙間を突いた“合法的な腐敗”だった。 天下り、接待、裏金、政治献金──すべてが“制度の中”で行われていた。