🕰️前回までのあらすじ
イトマンは、銀行の“痰壺”として裏社会とつながり、絵画や不動産を使って巨額の資金を動かしていた。 その中心にいたのが、韓国系実業家・許永中。 彼は、表の顔と裏の顔を巧みに使い分けながら、事件の核心へと迫っていく。
🧑💼登場人物
名前 | 役割 | 特徴 |
---|---|---|
許永中 | 実業家 | 雅叙園再建で名を上げたが、裏では資金操作の達人 |
河村良彦 | イトマン社長 | 許に資金を流した“実行者” |
韓国当局 | 捜査協力者 | 許の逃亡先で再逮捕に協力 |
日本の検察 | 追跡者 | 国際指名手配で許を追う |
🎭第1章:表の顔──再建請負人
許永中が注目されたのは、東京・目黒の「雅叙園観光」の再建だった。 経営難に陥っていた老舗施設を、彼は見事に立て直した。 マスコミは「敏腕実業家」として持ち上げた。 だが、その資金の出所は――イトマンだった。
「再建のための融資です」 そう言ってイトマンは数百億円を許の関連会社に流した。 その一部は、絵画取引やゴルフ場開発に姿を変えて消えていった。
🕳️第2章:裏の顔──資金操作の迷宮
許は、複数のペーパーカンパニーを使って資金を移動させた。 絵画の売買、不動産の名義変更、ゴルフ場の開発名義―― すべてが複雑に絡み合い、資金の流れを見えなくしていた。
検察が調べた時、資金の行き先はこうだった:
- 許の関連会社 → 絵画購入 → 許の別会社へ送金
- ゴルフ場開発名義 → 実態なし → 資金は韓国へ送金
- 融資先の担保 → 実は許の親族名義
資金は、まるで迷路のように動いていた。
✈️第3章:逃亡──韓国へ
1991年、イトマン事件が表沙汰になると、許は韓国へ“出張”という名目で出国。 そのまま帰国せず、国際指名手配となる。
韓国では、彼は堂々と暮らしていた。 高級マンション、運転手付きの車、政界とのつながり。 日本の捜査は難航した。
だが、2000年―― 韓国当局が動き、許はついに再逮捕された。
⚖️第4章:裁判とその後
許は日本に送還され、裁判にかけられる。 罪状は特別背任。 判決は懲役7年6ヶ月、罰金5億円。
裁判では、彼の資金操作の一部しか明らかにならなかった。 「記憶にない」「部下がやった」 彼は、最後まで核心を語らなかった。
🧠エピローグ:許永中という“時代の象徴”
許は、バブルという時代が生んだ“資金操作の天才”だった。 彼の手法は、今も企業や政治の世界に影を落としているかもしれない。
- 資金の流れを隠す技術
- 表と裏の顔を使い分ける戦略
- メディアを味方につける術
彼は、ただの“悪人”ではない。 “構造の隙間”を突いたプレイヤーだった。