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就職氷河期世代、年齢を重ねても賃金伸び悩み年金に不安…国の支援は?

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皆さん、こんにちは。いのりです。

今日は、私たちの親世代や少し上の世代にあたる「就職氷河期世代」が抱える深刻な問題について考えたいと思います。バブル崩壊後の厳しい雇用環境で正社員の職につけなかった 人は、現在30代後半から50代前半を迎え、物価高騰の中で賃金の伸び悩みや将来の年金への不安を強く感じています。国も支援を強化していますが、その状況を見ていきましょう。

就職氷河期世代とは?1700万人以上が 危機に直面

厚生労働省によると、就職氷河期世代とは、大学や高校を卒業したものの、希望する正社員になれず、パートやアルバイトなどの非正規雇用で働いたり、仕事に就くことができなかったりした人たちのことです。その数は全国で1700万人以上とされています。

国も集中的な就労支援を行ってきましたが、2023年度に就職した約12万6000人のうち、定着支援を希望した人の約3割が半年以内に離職しているという課題も残っています。今年度からは支援対象年齢が拡大されましたが、早期離職を防ぐための、より 効果的な支援が求められています。

賃金の伸び悩み…若手世代との格差も

就職氷河期世代を含む中高年の人たちは、若手世代に比べて賃金の伸びが小さいというデータがあります。厚生労働省の調査によると、2019年から2023年の賃金上昇率を比較すると、50代前半では2.9%と低い伸びにとどまっています。これは、長く続いたデフレ経済や、 キャリアを積み重ねる上非正規が多かったことが背景にあると考えられます。

49歳の男性の例では、専門学校卒業後、希望する職につけず、 低賃金で長時間労働を強いられ、転職後も昇給はほとんどなかったといいます。「生活がギリギリできるだけの賃金では厳しいので、ある程度、貯蓄ができるくらいの給料は頂きたい」というか。

将来の年金への不安

非正規雇用で働く期間が長かった氷河期世代の中には、将来の年金に強い不安を感じている人も少なくありません。48歳の男性は、非正規雇用を経て、正社員となりましたが、厚生労働省の年金シミュレーターで試算した年金受給額は、平均よりも大幅に低い月11万5000円でした。「これから年金だけでは絶対に生活ができないだろうと思う」という言葉は、 直面する厳しい現実に警鐘を鳴らしています。

スキルアップと社会保障の見直しが重要

労働政策研究・研修機構の堀有喜衣 統括研究員は、就職氷河期世代がに直面してきた背景として、景気の悪い時期が長く続いたことや、キャリアが不安定だったことを指摘しています。賃金の伸び悩みについては、自身のスキルアップとともに、リカレント教育やリスキリングの機会を増やすことが重要だと述べています。

また、将来の年金不安に対しては、若い時期に厚生年金の適用拡大が進んでいなかったことや、単身世帯が多いという 特徴を踏まえ、社会保障のあり方を改めて考える必要があると指摘しています。

今後の支援は「定着支援」

国は就職氷河期世代の正社員が増えたとしていますが、堀氏は、就職後の定着支援をより強化していくことが重要だと指摘します。働き始めたばかりの人が抱える悩みを共有できる場や、相談できる機関の存在が不可欠となるでしょう。

就職氷河期世代が抱える問題は、社会全体にも影響を与える申告な課題です。みんなが安心して生活できる社会の実現に向けて、私たち一人ひとりが関心を持ち、議論していく必要があるのではないでしょうか。