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日銀の政策金利引き上げを受け、インターネット専業銀行や地方銀行を中心に預金金利を引き上げる動きが活発化しています。定期預金では1%を超える金利を提供するケースも現れ、預金獲得競争が激化している状況です。
背景:日銀の利上げが預金金利に影響
これまで低金利が続いていた日本の預金金利ですが、日銀が金融政策の正常化を進める中で、その流れに変化が見られます。各金融機関は、今後の利上げを見据え、預金を集める動きを強めています。
預金金利引き上げの現状
- 定期預金で1%超えも: auじぶん銀行は、新規口座開設者向けに3ヶ月物の円定期預金を年1.2%に引き上げ。1年物も1.0%で提供を開始し、預け入れ人数が大幅に増加しました。UI銀行も1年物の定期預金金利を1.0%に引き上げ、預金残高を大きく伸ばしています。
- 普通預金も上昇: 東京スター銀行は円普通預金の優遇金利を最大0.6%に、SBI新生銀行も円普通預金の最優遇金利を0.4%に引き上げるなど、普通預金金利にも上昇の動きが見られます。SBI新生銀行は、この1年で3回目の引き上げとなります。
金融機関の思惑と課題
- 預金獲得の重要性: 金融機関にとって、預金は貸し出しや有価証券運用といった収益源の基盤となります。金利上昇局面においては、預金獲得の重要性が増しており、各行は預金残高を確保しようとしています。
- 預貸利ざやの拡大: 金利の復活は、預金で集めた資金を貸し出すことで得られる「預貸利ざや」の拡大につながり、収益改善のチャンスとなります。これが預金獲得競争を過熱させる要因の一つです。
- 過度な金利競争への懸念: 一方で、金利のみで集めた預金の安定性には疑問の声も上がっています。過度な金利競争は金融機関の収益を圧迫する可能性もあり、一部からは「これ以上の金利競争は困る」といった本音も漏れています。
今後の展望:金利競争と顧客戦略
ネット銀行にとっては、預金金利の引き上げは新規顧客を獲得し、認知度を向上させる好機となります。今後は、金利競争に加えて、住宅ローンや資産運用などの多様な金融サービスを組み合わせることで、顧客の定着を図れるかが鍵となるでしょう。