福井地裁、76歳男性に懲役2年の実刑判決：わいせつ行為への厳罰
福井地裁は、自宅敷地内で3人の女児の身体を触るなどわいせつな行為をしたとして、76歳の男性に対し懲役2年の実刑判決を言い渡しました。被害女児は「死を考えた」と話すほど精神的な苦痛を受けており、裁判官は「執行猶予を付けられるほど罪は軽くない」と述べました。
玉木被告は2022年5月ごろ、自宅敷地内で県内の10歳未満の女児にキスをしたほか、2022年7月ごろにも、自宅敷地内で県内の10歳代の女児に抱き付きキスをするなどした疑いで2023年11月に逮捕された。
福井の園芸農家が巧妙な手口で女性を誘惑：卑劣な犯行が発覚
玉木被告は自身が育てたブルーベリーやサクランボなどのフルーツ狩りの会を開催し、女児たちを誘い込んでいました。彼は過去に消防署長や地元漁協の組合長などの要職を歴任しており、地域社会での名士的な存在でした。そのため、彼の地位を背景に、子供たちを対象に様々なイベントを企画していました。例えば、炭焼き体験会や小学校での「アユの食べ方教室」など、子供たちと接する機会を積極的に設けていました。
福井の園芸農家に下された実刑判決：被害者の苦痛と裁判の結末
2024年3月、福井地裁で行われた論告で、検察は玉木被告に対し懲役3年6カ月を求刑しました。一方、弁護側は公判中に被告が起訴内容を認め、反省の意を示していたことから、執行猶予付きの判決を求めました。
そして、3月18日の判決公判が開かれました。法廷で徳井隆一裁判官は、「自宅敷地内の農園で果物狩り等の催しを開き、自らの性的欲求の赴くままに被害女性らの性的自由を踏みにじった身勝手で悪質な犯行」と指摘しました。また、被害女児の一人が「死を考えた」と告白したことなどから、「精神的苦痛は大きく、心身の発達に及ぼす影響も計り知れない」と述べました。
さらに、裁判官は「被告はわいせつ行為が発覚しながらも犯行を重ねていたことから、執行猶予を選択できるほど軽い事案ではない」と判断し、懲役3年6カ月の求刑に対し、懲役2年の実刑判決を言い渡しました。
