ANAホールディングスと豊田自動織機による自動運転の試験運用開始
- 自動運転トラクター試験運用開始:ANAホールディングス(9202)と豊田自動織機(6201)は7月、羽田空港で完全自動運転(レベル4)貨物搬送車両の試験運用を開始。国内空港でのレベル4運転は初。
- 技術の背景:自動運転トーイングトラクターは、国土交通省航空局の立ち会いの下、4月に模擬フィールドで安全性が確認された。自己位置推定や障害物検知システムの高度化が進められている。
- 走行ルート:貨物上屋から国内線ターミナルまでの片道約2キロメートルを走行し、2025年内の実用化を目指している。
羽田空港での自動運転バスの運行
- レベル4自動運転バスの運行開始:7月、羽田イノベーションシティでレベル4自動運転バスの運行が始まった。鹿島(1812)とソフトバンク(9434)の子会社BOLDLYが共同で実施。
- 運行概要:バスは11人乗りで、約800メートルの区間を約7分間で1周する。8月以降、一般客の乗車が可能。
レベル4自動運転の普及と課題
- 政府の取り組み:「物流の2024年問題」や過疎地の交通問題に対応するため、レベル4自動運転の普及が進められている。2023年4月に道路交通法が改正され、レベル4の公道走行が解禁。
- 自動運転のレベル区分:レベル0~5までの6段階に分けられ、レベル4以上でドライバー不要。レベル4では特定自動運行保安員が遠隔で安全確認を行う。
- 実用化の進捗:2023年5月に福井県でレベル4の移動サービスが開始されたが、接触事故により一時停止。茨城県では自動運転バスの運行が予定されている。
海外でのレベル4商用化の進展
- アメリカと中国の事例:アメリカではウェイモが無人タクシーサービスを開始、中国では百度(バオドゥ)が十数都市で商用化を実施。政府も2025年度までに全国50カ所、2030年度までに100カ所以上でレベル4の導入を計画。
自動車メーカーの取り組み
- トヨタ自動車:東京・お台場でのレベル4運行を今年夏に開始予定。スマートシティ「Woven City」でも自動運転の実証実験が進行中。
- ホンダ:世界初のレベル3車両「レジェンド」を発売し、2026年には無人タクシーの運行を開始予定。
- 日産自動車:2024年度に横浜市でレベル4の実証実験を開始し、2027年度に地方での運用を目指す。
レベル4技術に関わる企業
- LiDAR技術の重要性:ソニーグループ(6758)や京セラ(6971)が自動運転に必要なセンサー技術を開発中。
- 通信技術とインフラ整備:NTT(9432)、KDDI(9433)が5G通信インフラを提供し、ヨコオ(6800)が5G用アンテナを開発。
- 関連企業の動向:BOLDLYやティアフォーなどの企業がレベル4の実証実験をサポートし、エヌビディアの自動運転ソリューションも注目されている。
まとめ
レベル4自動運転の普及は、空港や特定エリアからスタートし、国内外で着実に進展している。いずれ当たり前のインフラになる可能性が大だと考えられるから、積極的に投資していきたい。